妖怪古伝 第1.5話 「一反木綿」
エピソード1があまりに未完成の為
エピソード1.5として「オリジナルストーリー」を追加し
再公開いたします。
一反ほどの白い布がとくに夜間ひらひらと飛来する。昔、鹿児島県おおすみ地方にあらわれた妖怪。
見た目はまったく恐ろしくなく、それどころかぼんやりした人などは干し物が風にあおられてとんでいくくらいにしか思わない。
約一反(いったん 長さ約10.6メートル、幅約30センチメートル)の木綿のようなものが夕暮れ時にヒラヒラと飛んで、人を襲うものとされる。
首に巻きついたり顔を覆ったりして窒息死させるともいい、巻かれた、たんもののような状態でくるくる回りながら素早く飛来し、人を体に巻き込んで空へ飛び去ってしまうともいう。
ある男が夜に家路を急いでいたところ、白い布が飛んで来て首に巻きつき、脇差しで布を切りつけたところ、布は消え、男の手には血が残っていたという話もある。
また、きもつき町では一反木綿がよく現れるといわれる神社があり、子供たちがその神社の前を通るときには、上空を舞う一反木綿が最後尾の子供を襲うと信じられていたため、子供たちは誰よりも先に走って通り抜けたという。
正体とされるのは一反木綿の出現時は夕暮れ時とされるが、かつてこの時間帯は親が農作業などで1日中働いており、
子供に目を配ることができないことから、一反木綿の話をして、「一反木綿が出るよ」と言って、遅くまで遊んでいては危ないと戒めていたものと見られている。
また、この伝承地では土葬の際に木綿の旗を立てて弔う風習があり、これが風で飛んで空を舞うこともあったであろうことから、これが木綿の妖怪という伝承につながったものとも推測されている。
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