妖怪古伝28回目の放送
今日の妖怪は「枕返し」
今回のオリジナルストリーは様々な夢を見た小説家と妖怪のやり取り、そして小説家の願いとは...... 最後にちょっとした仕掛けもございます。
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*この番組の効果音には「Oto Logic」「Mus Mus」様の音源を
使用させていただいています。
28 枕返し
枕返し(まくらがえし)とは、日本の妖怪で夜中に枕元にやってきて、枕をひっくり返す、または、頭と足の向きを変えるとされている。
具体的な話は江戸時代・近代以後に多く見られ、その姿は子供、坊主であるともいわれるが、明確な外見は伝わっていない。
東北地方では、枕返しは座敷童子(ざしきわらし)の悪戯と言われることが多い。
枕を返されるほかにも、寝ている人が体を押しつけられたり、畳を持ち上げられたりし、周りには小さな足跡が残っていたという。
栃木県大田原市の大雄寺には、幽霊を描いた「枕返しの幽霊」と呼ばれる掛軸があり、これを掛けて眠ると、翌朝には枕の位置が変わっているといわれる。
枕を返す意味としては、夢を見ている間は魂が肉体から抜け出ており、
その間に枕を返すと魂が肉体に帰ることができないという信仰が古くは日本人の間にあった。
民俗学者・武田明(あきら)は、枕には人間の生霊(いきりょう)が込められており、枕を返すことは寝ている人間を死に近づけることを意味すると述べている。
また、別の民俗学者・宮田登(のぼる)は、かつての日本では、夢を見ることは一種の別世界へ行く手段と考えられており、
そのために枕は別世界へ移動するための特別な道具、いわば異次元の交錯する境界とみなされており、
眠っている間に枕をひっくり返されるという「まくらがえし」は、
すべての秩序が逆転する異常な事態になっていたことをあらわしていたと述べている。