第11話 輪入道
妖怪古伝11回目の放送今回の妖怪は「輪入道」
今回のオリジナルストーリーは少しハラハラドキドキしますぜひお聴きくださいませ。
輪入道(わにゅうどう)
妖怪絵師、鳥山石燕(とりやませきえん)は、炎に包まれた牛車の車輪の中央に男の顔が付いた姿を描いており、
輪入道は都の大通りを走り抜ける時、自分の姿を見た者の魂を抜いていくという恐ろしい妖怪です。
見ただけで命を落すこの妖怪を避ける方法として
「此所勝母の里(ここはしょうぼのさと)」と書いた紙を呪符(じゅふ)として家の戸に貼ると、
輪入道が近づくことができないと言われています。
これは、中国の儒家の始祖・孔子の弟子である曾子(そうし)が「母に勝つ」の名を嫌って
勝母の里に足を踏み入れなかったという逸話が由来とされています。
石燕による輪入道は、『諸国百物語』に載っている、京都や滋賀県に現れたという「片輪車(かたわぐるま)」
をモチーフに創られたのではないかといわれています。
片輪車は、炎に包まれた片輪の車輪で走り回り、子供をさらっていく妖怪です。
輪入道は男性、片輪車は女性という違いがありますが、外見はとてもよく似ています。
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